「American Sign Language」の日本語表記について
2018年5月28日
特定非営利活動法人日本ASL協会
会長 大杉 豊
特定非営利活動法人日本エイエスエル(ASL)協会は、2018年5月27日に開催した総会にて、定款第3条にある表記「アメリカ手話(American Sign Language: ASL)」を「アメリカ手話言語(American Sign Language: ASL)」に変更することを決定しました。理由は次の通りです。
1. 当法人は国際手話の普及(ウェブサイトでの発信、講習会、交流企画など)にも力を入れています。この「国際手話」は英語で「International Sign」と呼ばれ、「American Sign Language」の表記と違って「Language(言語)」が含まれていません。この二つの英語表記上の違いを日本語では「国際手話」、「アメリカ手話」というように、反映させないまま使ってきました。
2. 草薙進郎(筑波大学名誉教授)による米国のトータル・コミュニケーションに関する一連の文献研究では、「American Sign Language」の訳語として「アメリカ手話言語」の表記が使用されています。「Language(言語)」が英単語に含まれている時は「言語」を含めた日本語をあてるのが適切であると考えます。
3. 現在、日本において、言語としての「手話」を「日本手話」と表記する例、「手話言語」と表記する例があり、ろう者社会で議論が展開されているところです。そこで、このタイミングで、「国際手話」と「アメリカ手話言語」というように、「手話」と「手話言語」を使い分ける方法に切り替えることとし、英語で「Sign」と「Sign Language」が使い分けられている事実を正確にお伝えすることとしました。
なお、当協会では今までと同様に、「ASL」の表記を使用し、説明するときなどに「(アメリカ手話言語)」と付け加える形をとることとします。
以上