特定非営利活動法人日本ASL協会 定款 (PDF) 別ウィンドウが開きます
平成30年(2018年)12月14日施行

設立趣旨書

日本で外国の手話が公の聴者や聴覚障害者の目に触れ、多くの人の心を揺るがしたのが1981年の全米ろう者劇団の繰り広げた演劇であったと言われています。聴覚障害者が自ら台本を書き、脚本し、監督も努め、そして自分達の言葉である手話に誇りを持ち、その言語で舞台を演じる、日本の聴覚障害者に今までなかった「誇り・自信」を見せつけました。 その以前からアメリカ手話を学習する人は水面下で増え、アメリカ手話を指導する数少ない指導者もアメリカ留学経験を経て福祉先進国であり特に聴覚障害関係では世界一を誇るアメリカの情報を日本で紹介すると伴に、言語として社会が手話を認めているアメリカの状況を日本に広め、日本の聴覚障害者が多くの知識を外国から学ぶことに尽力して来ました。この20年間で、他国の手話を習い、その国に住む聴覚障害者とその国の手話を使い直接話しをする喜びを発見した聴覚障害者は、聴者が外国語を学ぶ意識と同じものがあります。個人レベルのアメリカ手話普及も益々盛んになり、この法人の先駆団体を発足しましたのが1988年でしたが、アメリカ手話学習者も当時の10数名からアジアで初めて開催された1991年の世界ろう者会議をさかいに急激に増え、現在は150名と増加し、アメリカ及び諸外国の聴覚障害者との国際交流も定着してまいりました。

また、聴者は外国の手話を学び、同じクラスで同じ目的を持った聴覚障害者と一緒に学ぶことから、日本手話や日本の聴覚障害者にも興味を持ち、通訳などのボランティア活動の精神を養い、聴覚障害を理解するきっかけとなっています。国内外で多く開かれる国際会議への日本人聴覚障害者への外国語手話通訳者の養成を初め、視覚聴覚障害者(盲ろう者)の外国語手話通訳者の養成、外国語の手話指導者の養成など、今まで不可能と思われていた可能性に挑戦し、国際交流を積極的に開催するなど、国際協力事業団、財団法人全日本ろうあ連盟、日本リハビリテーション協会などの団体を初め各団体との協力関係も深め全国レベルでの活動なども広がり、この法人団体の果たす役割はますます重要かつ不可欠となってきております。

特定非営利活動促進法(NPO法)の制定後今日まで研究・準備を進めてまいりましたが、私たちのこれまでの活動を一層活発化し、社会的に認知された団体とするために、NPO法人化を決意いたしました。聴覚障害者が個人の語学技術を磨くとともに、可能性を追求して行く喜び、国境を超えて、障害を越えて、多くの言語を学び使用することができるという自信を養うことができることは、多くの障害者の自立生活を支持、援助し、健常者と障害者の壁を取り払う社会作りに寄与することを一番の大きな目的とし、特定非営利活動法人 日本ASL協会を設立するものであります。

2002年4月15日

特定非営利活動法人日本ASL協会
会長 野崎 留美子